●業務連絡とE-ZEUSUのお知らせ
2015-07-21


今回は「星爺から若人へ」ではなくて、ご連絡とご案内です。

●JILVA-170の出荷状況
超高性能ポータブル赤道儀JILVA-170(輸出バージョン)につきましては、多数のご注文をいただきありがとうございました。輸出品の予備在庫のパーツで組み上げるバーゲン製品のため、そろそろ売り切れとなりますので、ご入用のお客様はこちらからお早めにご注文ください。

JILVA-170は1台ごとに実際の星空でピリオディック(P)モーションを撮影して追尾精度をテストし、公称値の±4〜5″の高精度をクリアした個体のみ出荷しています。そのため納期は天候に左右されますが、今年の梅雨は極端で6月4日以降は、本日(7月21日)まで一晩晴れただけです。やっと関東地方の梅雨明け宣言が出たので、今晩からはPモーションテストが進捗するものと思われます。ご注文の早い順から出荷いたしますので、いま少しお待ちくださいますようお願い申し上げます。
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           2軸オートガイド用の赤緯軸や専用三脚なども鋭意開発中です

●Pモーションテストが必要な理由
Pモーションとは 「赤道儀の赤経ウオームネジ1回転周期の追尾速度の進み遅れ」 のことで、Pモーションが小さいほど長い望遠レンズまで追尾することができます。だいたいの基準として、100mm望遠レンズを追尾するためには±20″以下のPモーションであることが必要です。
Pモーションはウオームネジ周辺の加工精度が原因で発生します。その原因は一つではなく、主に下記の四種類から各々振る舞いの異なるPモーションが発生し、これらが重なりあって増長したり相殺したりします。したがって@〜Cの総合である最終的なPモーションは偶然の産物みたいなもので、各々の加工精度よりも悪くなることも良くなることもあり予測がつきません。個体ごとのバラツキが大きくなるわけですね。オーバーホールなどで組立直すと当然Pモーションも変わります。
  @ウオームネジのピッチ誤差(乱れ)によるヨロメキ運動
  Aウオームネジ軸受けの精度によるスラスト方向のブレ
  Bウオームネジの芯出し誤差による1回転毎のトルク変動
  Cウオームネジに付けたスパーギヤの偏芯による速度変動

昨今、赤道儀のメーカーはPモーションのデータを公表しなくなりました。個体ごとに測定しないのであれば、架空のようなデータを公表するよりずっと良心的といえると思います。しかし、ポータブル赤道儀はPモーションが生命です。Pモーションが不明では何mmの望遠レンズを搭載できるかもわかりません。そのため弊社では全個体をテストして合格品を出荷しています。
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                クリックすると画像が大きくなります

●ただいまPモーションの測定中です
久しぶりの晴天でJILVA-170の出荷前のPモーション測定をしています。1回めは下の写真で12分露出のため、2週期分ちょっとのPモーションが写っています。撮影レンズは1200mmですから、500mm程度の望遠レンズならばガイディング修正無しで使えそうな精度があることが見て取れます。測定結果は下記のとおり±4.5″でした。

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[その他諸々]

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